2011年5月の家具職人日記

できました。

明日の展示にむけた製作がなんとか終了。
今日は徹夜か?と思ってましたが、無事日付が変わる前に帰って来れました。

写真は今日の朝の状態。
そして今日はほぼ一日サンディング・・・。塗装は下地作りが大事です。
塗料は今回初めて、キャピタルペイントのワンダー水性1液型(白木色)を使用しました。
乾燥の早さにホント助けられました!

ちなみに製作したのはドイツで模型を作っていた「Honeycomb Schrank」と名付けた
蜂の巣のような形をした収納。

出展はマエダ木工名義ではなく「松浦建具製作所 製作 前田智之」となっているはずです。

土曜の午後は会場(アオッサ1F)に居るつもりをしています。

みなさん是非お越し下さい。


展示会にむけて


展示会にむけた家具の製作を進めています。

今回は加工の一部を建具屋さんにお願いしました。
0.01mmまでの精度が出せるというこの機械。世の中にはこんな機械があるんだって事を
知った上で木工をやって必要がある。
それにしても他の工場を見せて頂くというのは刺激的で楽しい。
 

加工後はこんな感じ。


切り欠きは結局手加工でやりました。


2つを合わせるとこんな感じです。

27日の午前中に搬入なので、あと2日。
塗装があるから明日にはほぼ完成させないと、間に合わないぞ!


ビューローの原寸図


ゴールデンウィーク明けからの仕事の予定が、震災の影響で来月に。
それじゃビューローの製作に取りかかろうと、木取りを始めたものの
どーも気になって、不安な部分が。

という事で、結局原寸を書きました。
写真にあるのが、扉をあけると自動で支えが出てくる仕組みの金物。
注文した金物やさんも初めて見たとのこと。

と、製作を始め、木取りが終わったところで一時中断。

来週末の展示の為の家具を作ります。


技術とデザインと


今月の27〜30日に第34回福井県創作家具建具展示会が開かれます。展示場所はAOSSAの1F。
以前から参加の要請を受けていて、快諾していたのですが、気がつけば今月末。というか来週末!

という事で、現在急ピッチで段取りをしています。
デザインは以前に模型を作っていたシェルフでいくとして問題はその納まり。

単純過ぎず、目立ち過ぎないように。強度も兼ね備えつつ合理的で美しく。デザインの中に技術を。
いろいろ試行錯誤を繰り返して、写真の「十字面腰合欠き接ぎ」でいく事にしました。

材料は出来るだけ県産材を使用してほしいという事で杉の間伐材を採用。

審査および表彰も行われるらしいので、出展するからには・・・
いい結果だったら報告します。

福井近郊にお住まいの方は今週末はフラットキッチン
来週末はAOSSAへどうぞ。


東日本大震災支援プロジェクト〜CRチャリティ・バザー

昨日はFUCA/福井クリエイターズ・アソシエーション主催のチャリティ・ミーティングに参加してきました。
福井のクリエイターがこだわりの一品を持ち寄ってバザーを開催し、その売り上げの全額を今回の震災で
被災された方への義援金にしようというこの企画。

詳細についてはこちら

僕も建築家の丸山さんからお誘いを受け、参加してきました。

バザーは今月の21日、22日 場所はフラットキッチンにて開催されます。

僕も今回の為に製作した作品を出品しています。

幅27cm×奥行き14cm×高さ15cm
樹種:ウォールナット 塗装:オイルフィニッシュ
価格 8000円

”ねじり”と呼ばれる組み手を用いて製作した花台です。
ウォールナットのクセのある部分をあえて使用し、個性的な木目を活かした、世界に一つだけの一点ものです!

他にもたくさん面白いものが出店されているので、お時間のある方は是非足を運んでみて下さい。


自宅の本棚


ゴールデンウィーク中に自宅の本棚を製作。福井に引っ越してきて以来段ボールに仕舞われていた本を
ようやく並べる事が出来ました。

作りとしてはごく単純で、全てビス止めで組み立てています。縦の仕切りがずれているのは
ビス止めをし易くするため。今回ラワンベニアのフラッシュで作りましたが、あとあと考えると
ランバー合板を使っても材料費は変わらなかったかな。
朝に本棚を作ろうと思いついて、ちょっとデザインし夕方には完成という早業。
事務所の本棚としてはローコストでおススメです。

サイズはW2400×D290×H1100で作っている時は余裕で全ての本が入ると思っていたのに
いざ仕舞い始めると、全然収まらない。当初は何カ所かはお気に入りの”木のおもちゃ”なんかを
飾って…なんて思っていたのに。家具、木工、インテリア関係の本だったらそこら辺の本屋さんより
そろってます。

いっぱいになった本棚をみて、「もう本買われへんな」と妻がグザリ・・・。
子供に本を触られないように、下を浮かしておいたのでけれど、そこに棚板を足そうかな。

片付けをして居るとどうしても、「そうそう、この本やっぱりいいな」などと見始めてしまい
とりとめの無い事になってしまうのですが、そのなかでもやっぱり廃刊になってしまった
インテリア専門誌の「室内」は秀逸だったと思います。現在も類似するような雑誌が無いだけに残念です。


デ・ホーへ・フェルウェ国立公園

2010年に訪れたオランダの国立公園。5500ヘクタールにも及ぶ敷地内には公園内とは思えないような光景が
広がっています。同敷地内には有名なクローラー・ミュラー美術館があり、ゴッホのコレクションが多数。
教科書に載っていた「ひまわり」も見る事が出来る。
 
敷地内には白い自転車がたくさん並んでいる場所が何カ所もあって、そこから自由に自転車を借りて
好きなところに向かって好きなところで自転車を返すというシステム。相当な距離を自転車に乗りましたが
まわれたのは7割程だったと思います。
お目当てだったリートフェルトの建築は改修中で見る事が出来ず。

アクセス方法はやや難。公園がある町にはインターネットで予約出来るようなホテルが無く
近くの都市にホテルを取り、そこから電車とバスと送迎バス(?)を乗り継いで。


材料選び


これから製作予定のライティングビューローに使う材料を買いに岸和田にある服部商店さんへ
電話で連絡をしておくと、お目当ての材料を前に出しておいてくれました。
 


今回使用するのはアメリカンチェリー。
一枚一枚チェックしながら良材を選んでいきます。結局ひとかたまり全部見てしまいました。
良材ばかり抜き取ってしまって申し訳ないです・・・。
例えば「上から3段分」という具合に無選別で買えば単価も少し安くなるという事なので
次回からはそういう買い方もありかな。

それでも、わざわざ脚を運んだ甲斐があって納得のいくイイ材料が買えました。
月曜には工房に届くはずなので、楽しみです。


ライティングビューローのCG


一ヶ月程前に問い合わせを頂いて、これから製作予定のライティングビューロー。
恥ずかしながら、このような家具をビューローと言う事は知りませんでした。
しかも、ビューローはドイツ語。ちなみにスペルはBüroでüの発音は「ウ」の口の形で「イ」と発音するらしいが
僕にはなかなか無理でした。事務所という意味です。

で、今回のCGは最終決定したもの。一度別のプランで提案をさせて頂き
詳しく要望を伺ってこのデザインにまとまりました。

このビューローのデザイン。なかなか大変です。
まず第一に、天板となる扉を前に倒すと、支えとなる腕が自動で前に出てくる仕組みを採用するため
金物の納まり部分が若干複雑になっています。まぁこれは考えれば分かる事なんですが・・・

一番頭を悩ませたのが、単純に機能だけを満たしてデザインすると、どうしても野暮ったくなってしまう事。
これは言葉では表現しづらいのですが、もうちょっと細くしたい!低くしたい!と思ってもワークデスクとしての
機能を保つ為にはこれ以上無理!という戦い。
いろんなプランを検討した結果やっとこのバランスを見つけ出しました。

ところで、マエダ木工では打ち合わせの際、このようなCGを使って提案させて頂きます。
オーダー家具というのは出来上がるまで形が見えないという不安があるかもしれませんが
このようなCGを見て頂ければ大体のイメージはつかんで頂けると思います。
もちろん、図面も描きますし、下の写真のような材料サンプルもお見せします。
 

お客様も出来上がりが楽しみだ、と仰っていて、僕も製作するのが楽しみなのですが
GW明けはちょっと別件の仕事が入ってまして・・・。
完成はもう少し先になりそうです。


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