2011年の家具職人日記

本棚と飾り棚 製作1


アメリカンチェリーを使って本棚と飾り棚の製作に取りかかっています。
岸和田の服部商店さんから送ってもらった材をにらみながら、木取り作業をしていきます。

「木取り」とは文字通り、材料から必要な大きさの木を取っていく作業を言います。
チョークで線を引きながら、適材適所に決めていきます。製品の仕上がりを決めるとても重要な
作業です。
実は、個人用(娘用)にも同じ本棚を作ろうかと目論んでおりましたが
残された日数を勘定し諦めました、、。
 
 

木取って、荒削りをしたら、しばらくこの状態で置いておきます。
シーズニングといって、後々の材の反りを少しでも軽減する為の処置です。
 
 

そんな時、金沢美大の学生さんから卒業製作の作品の製作依頼を受けました。
中にカッティングシートで絵が描かれたアクリル板が何枚か入ります。
レイヤーを変えるように、絵を変えれるという仕組み。
2月頃に21美で展示されるそうですよ。

両サイドは染色をしてから仕上げたんですが、なかなかいい感じになりました。
簡単そうに出来てますが、前から見た時に四方がトメになるように組んでいるので
わりと加工は複雑です。
組み立てる前の写真を撮っておくんだったな、、。
 
 

ところで、福井では1週間程前から雪が降っています。
おっ、粉砂糖がかかったケーキ(クリスマスシュトレン)みたいで山が美味しそう
と思ったのもつかの間、寒くて、寒くて。既に全身ヒートテックです。
福井での家具作りは寒さとの戦いです。


H邸のスツール 完成

H邸の為にデザインされたスツールが完成し、先日納品に伺ってきました。
(気がつけばもう1ヶ月前の話なんですが・・・) 
 
  
デザインは設計の荒谷さんから3Dで頂いていたんで、仕上がりのイメージは大体つかめて
いましたが、組み上がったスツールを見てドキッとしました。「かっこいい!」 
 

脚にはバーチの積層合板を、座面には杉の柾目を使用しています。
合板のストライプと柾目のストライプが調和していい感じです。 
 
 

後日、設計の荒谷さんにも納品に。(全部じゃないですよ)
樹種違いでという事だったんで、手持ちの材料で8点製作し選んで頂く。 
 
 

折角なので積んでみる。いい!キレイ!
今までスタッキングの利点をあまり考えた事が無かったですが
8脚のスツールがこれだけのスペースに収まってしまうのはかなり魅力的。 
 
 

杉の源平を使った座面。製作途中でこれは使える!と思い急遽採用。
全体のデザインの中で座面のインパクトが強くなりすぎてしまう感じもしましたが
8脚の中の1つということで、アリかと。 
 
 

こちらはアメリカンチェリー。 
上品でかわいい感じです。 
 
 

ナラ拭き漆。
シブイ感じで和の空間にも馴染むんではないかと思います。 

 


H邸のスツール 製作

夏に竣工した荒谷省午建築研究室設計のH邸にはまだ重要な仕事が残されていました。
スツールやベンチ、下駄箱等の置き家具です。
H邸では建築だけではなく置き家具も荒谷さんによってデザインされています。

ずいぶんとお待たせしてしまいましたが、ひとまずスツールのみ完成たので
その製作過程を。


今回の製作ではちょいと訳あって、とりあえず2台を試作として製作しました。
その製作で見えてきた問題点を修正し本製作に取りかかります。
本製作では座面の樹種違いを含め8台製作しました。

スツールの脚にはバーチの積層合板を用いています。写真で見て分かるように3本脚です。
組み立て用のジグを作りダボと接着剤を使って組み立てます。


脚が組み上がったところ。増殖していく結晶のようにも見えなくもないです。


このスツールはスタッキングが可能です。まだ脚だけですが、とりあえず積んでみる。
 
 

座面を準備します。座面は杉をベーシックとしてその他に、ナラやウォールナット、アメリカンチェリー
などを用意。なんだか美味しそうです。
 
 

塗装はオイル塗装を施します。その下準備としてサンドペーパーで磨き、水で濡らし(水引き)ます。
やっぱり美味しそうです。

後は座面と脚を組み立てれば完成です。


椅子の研究


椅子を作ってほしいという依頼があり、椅子の研究を進めています。
長時間座っていても疲れない椅子を、という事でハードルが高いです。

とりあえずは、名作椅子の3Dデータをダウンロードし分析。
多分あと10脚位はデータがダウンロード出来るはず。
インターンに来てもらっているT君にこれから3面図を作成してもらいます。
このデータは今後の製作にも非常に役に立つものになるに違いありません。

それから、1/5scale模型でも作ってもらおうかな。
いや、せっかくうちの木工所に来てるんだから原寸の方が面白いかも。

で、問題はこれだけの名作椅子を見てしまった後で
オリジナル椅子をデザインしないといけないって事なんですよね、、。


クリスマスマーケット@ドレスデン

ドイツでは先週からクリスマスマーケットが開いているそうです。

過去の思い出に浸っている場合ではないのですが、このクリスマスマーケットだけは
どうしてもうらやましい。

マイナス15度近い気温の中、グリューバインというホットワインを飲む。
そういえば、去年の年末年始にはドイツ人の友人が福井に遊びに来て
グリューバインを作ってくれました。
今年もレシピを調べて作ってみようかな。


Y邸の置き家具

古民家Y邸の改修では造作家具に加えて、出村さん設計のもと置き家具も製作させて頂きました。

樹種は全体のイメージを考慮した結果、最終的にアメリカンチェリーに決定。
板目の突き板(一部は無垢材)を使用して製作しています。

向かって左にテレビ台、右に整理箪笥。
テレビ台は引き戸になっていて、そこにはガラスが入るんのですが、撮影時には間に合わず。
和の雰囲気に馴染み、アンティークっぽさがあった方が良いという事で
整理箪笥には真鍮の取っ手を取付けました。
 
 
  

テレビ台の配線口部分。40φの開口だけでは普段はちょっと穴が大きすぎるのでは
と思い、こんな感じのフタを提案させてもらいました。
配線をした後は、フタをして、線だけが隙間から通っているようにするというアイデア。
 
 
 

今回木製Vレールを自作しました。
どうもしても既製品の木製Vレールを使いたくなくて、、。 
恐らく、言わなかったら誰も気づかないと思いますが、だからいいんです。


古民家Y邸の家具

DEMU建築設計事務所設計の古民家の改修。
設計の出村さんからご指名を頂き、造作家具と置き家具を製作しました。

洗面台下部の引出し収納+下足箱。
タモの柾目の突き板を使って製作しています。
引出しの手掛けは上部に傾斜をとって、スッキリと。しかも傾斜部分には無垢材を貼って
耐久性を持たせてあります。

手前は下駄箱になっています。棚板はキズがいっても大丈夫なようにタモの集成材で。
一番下は畑仕事等で汚れた長靴等が置けるように地板は無しで直接土間になっています。
設計の出村さんの細かい配慮、スゴイです。

上部はミラー付きのスライドドアと開き戸。

 
 

トイレ内の洗面台。天板と側板はタモの無垢材で作っています。

キッチン横の食器棚。
タモの柾目で、手掛け部分には無垢材を使用しています。

アメリカンチェリーの突き板を使って作った置き家具は次回に


GD邸のコート収納


先日竣工したGD邸に納めたコート収納。

既存の下駄箱はそのまま残し、その上に新しくピーラーの突き板を使って製作した
コート収納を設置しています。

デザインは設計の柳沢究さん。
ピーラーを使用する事や、下部を浮かす事等、こちらから提案もさせて頂きました。
扉をトメ加工で納めてあるので、玄関から見ると1つの塊がくっ付いているようにも見えます。
シンプルなデザインで新しさを出しつつも、全体に良く馴染んでいると思います。

いい意味で目立たず、オープンハウスにお越し頂いた方も
あっさりとスルーしていかれる方が多かった気がします、、。


屋内から見るとこんな感じです。
 
 

扉の開き方に一工夫されていて、手前の扉を開けてコートを収納するようになっています。
今回、トメの扉を納める為の専用の丁番を初めて使用したのですが
価格が高い事を除けば、なかなか気に入りました。

 
 


オープンハウスのお知らせ

この度、究建築研究室 設計の京町家の改修工事が竣工し
クライアント様のご好意によりオープンハウスが行われる事となりましたのでご案内させて頂きます。
マエダ木工では造作家具の製作を担当致しました。

会期中は現場に常駐しておりますので、皆様ぜひ会場へお越し下さい。

日時:2011年10月30日(日)10:00~17:00
場所:京都市北区

maedamokko(a)gmail.comにご連絡頂ければ詳しい場所をご案内致します。
(お名前・所属・連絡先等をあわせて記入ください)


シナ合板とナラの無垢材で製作した引き戸の食器棚
 
 


既存の下駄箱の上に米松の突き板を使用したコート収納を製作


ダイニングテーブルを納品

阿曽芙実建築設計事務所の阿曽さんからの依頼で製作をしたおにぎり型のダイニングテーブルを
先日納品してきました。

納品先は今週末にオープンハウスが行われる、芦屋の物件。
詳しくはこちらのブログ

オープンハウスに行かれる予定の方はこちらのテーブルにもちょいと目を向けて下さい!

天板にはロシアンバーチ合板を用いています。
この独特の形は阿曽さんに型紙を送って頂いて、それを元に加工しました。
 
 
 

脚の形状に関しては、3本の脚がクロスしたイメージを伺って、こちらからご提案。
模型を作って、何となくのイメージを確認した後はこちらの判断に任せて頂きました。
というのも僕自身が作ってみないと分からないから。

製作は加工しながら、バランスをみて手刻みで行いました。

見る角度によっていろいろと表情を変えるのもこのテーブルの面白いところだと思います。




GD邸のキッチン

先日、究建築研究所の設計で進行中の京町家の改修GD邸にキッチンと天袋を設置してきました。

総体としてはシナ合板の水性ウレタン塗装。内部も引出しも全てシナで製作しています。
そして、今回は面材や手掛け部分にナラの無垢材を使用。
これは頂いた図面を元にこちらから提案させて頂きました。
面材の幅や通し方等、製作前に幾度も検討を重ねています。

お施主さんの意向でキッチンにしては珍しく、引き戸を採用しています。
写真では奥によっちゃってますが・・・。真ん中がオープンになるのが基本スタイルです。

トップはステンレスになるのですが、まだ取付けられていません。
 
 

そしてキッチンの反対側には前回納めた食器棚が。
壁には大工工事によりバラ板が貼られ、もの凄くカッコイイ事になってます。
港町等で見られる、古い舟板を貼った壁がヒントになっているそうです。
詳しくはこちらの記事を「バラ板に柿渋を塗る」
 
 

この食器棚は横から見ると150mmしか出ていませんが、実際には壁に飲み込まれている分をを
含めると480mmあります。
それにしてもこのトップライトの入り方はステキすぎる。
柿渋を塗った壁が日焼けして、更にいい感じになる予定らしいです。

細部のディテールはこんな感じです。

近々オープンハウスをして頂けるそうなので
またご報告致します。


おにぎり型の

これから製作予定のおにぎり型のダイニングテーブル。
依頼して下さったのは阿曽芙実建築設計事務所の阿曽さん。
天板の形は阿曽さんに型紙を提供してもらい、脚の形状はイメージを聞きこちらから提案させてもらいました。

いつもは、CGや図面でイメージを伝え確認して頂くのですが、
今回の脚の形状はCGで描いていてもワケが分からない。

これは模型を作るしかないと、1/5の模型を作ってみました。

脚の形は出来上がったら公開します!


公園@ライプツィヒ

台風が過ぎ去って一気に涼しくなりましたね。

ようやく仕事もしやすい気候になってきました。

写真は昨年滞在していたライプツィヒにあるフリーデンス公園。
ドイツには緑が多く、公園もそこら中にあって、しかも程よく、しっかり手入れされいます。

そんな公園を歩きながら、思いついたのがこのテーブル。
この様々な樹種のある公園を目線の高さくらいでスパっと切って、断面を見たら
こんな感じになるんじゃないだろうかと。

まだ、模型のみで実製作はいたっていませんが、気になる方は是非お問い合わせ下さい。


木の仕事展’11


本日より大阪市立クラフトパークで行われている木の仕事展’11に出展しています。
昨日会場に行って搬入と設営を行ってきました。

今回は踏み台を樹種違いで7点と、ねじり組で組んだスツールを2点出展しています。
出来上がって工房で並べてみると、牧場に居る小動物の集まりのように見えてきたので
下に人工芝のサークルを敷いて展示しています。

脚には値段の書かれたタグが付いていますので
皆さん御支払いの上、タグを外して連れて帰って下さい。なんちって。

サブ企画として「木の時計展」も同時開催されています。
約50点の木の時計がずらりと並んでいます。

ワタクシも一点、出展しています。
3色の時計 あか あお きいろ。

メープルの材を着色して仕上げています。
3つセットで販売していますよ。


オープンハウスへ

先日の連休中に開催されていたオープンハウスにお邪魔してきました。
設計は伊藤瑞貴建築設計事務所

伊藤さんの住宅を拝見するのは今回で2度目です。
シナベニアの建具の納まりがとてもキレイで、明るい空間を作り出していました。

写真の黒く塗られた部分は、なんと黒板になってるそうです。
生活が始まって、お子さんが落書きをしまくったらとてもいい感じになりそう。


木の仕事展’11に出展します

ドイツから帰国して1年が過ぎました。
時の流れが早いです。もうすぐ10月。おっともうすぐ年末ですね。

そして今、ちょうど1年前にドイツで最初に製作した踏み台を作っています。
ドイツでは全て手加工でしたが、さすがに今回はほとんど機械加工です。
それでも傾斜の部分は鉋で削って仕上げました。

こちらの踏み台は来週末に開催される「木の仕事展’11」に出展します。

木の時計展も同時に開催されそちらにも出展します。
木の時計約50点が展示され、ほとんどの作品が販売可です。

何を隠そう私が「木の時計展」の担当者なのですが
まだ時計は出来ていません、、。

皆様、お時間ございましたら来週末は是非大阪のクラフトパークまでお越し下さい!

■開催期間:2011年9月23日(金/祝)~25日(日) 9:30~17:00まで
  ※最終日25日には、つくり手本人によるギャラリートークを開催します。

■開催場所
  ものづくり総合施設 「大阪市立クラフトパーク」展示室
  〒542-0083
  大阪市平野区長吉六反1-8-44 大阪市立クラフトパーク 1F展示室


ペーパーコード講習会

先日の日曜日に大阪で行われたペーパーコードによる座編みの講習会に参加してきました。
これは木の仕事の会が主催する企画で今回は工房齋(いつき)の齋田さんが講師を務めて下さいました。

以前からとても気になっていたけれど、手を出せていたかったペーパーコード。
こんなに教えてもらっていいんですか!っていうくらい丁寧に編み方を教えて頂きました。
テンションのかけ方や方向、奇麗に編む為にチェックする事、更にペーパーコードの椅子を設計する
際のポイントまで。

習ったからといってすぐに出来る訳ではないので、後は練習あるのみ。
忘れないうちにやっておかないとなー、、、。

更に更には、齋田さんのオリジナルの椅子TS2チェアの組み立て前のパーツを持って来て下さって
木取りの方法や、加工方法まで解説して頂けました。
その方法は文字通りメカラウロコ。詳しくは書けませんが、材料を効率的に使い且つ
加工の手間を省く方法は感動すら覚えました。

齋田先生ありがとうございました!!!


引き戸の食器棚

京都の町家にて作りつけの食器棚+小さな引き戸の収納を搬入、取り付け。
設計は究建築研究室の柳沢さん。

細部の収まりや、手掛け部分のデザインなどをこちらから提案させてもらい製作しました。
打合わせの時に用いたのが下の写真のサンプル。

お施主さんがシナの風合いが好きということで、総体としてはシナを用い
それに合わせる広葉樹としてナラやウォールナット、チェーリーを提案。

壁の仕上がりなどを考慮して今回はナラが選ばれました。
写真右側のイメージです。

個人的にナラは大好きですし、シナとのコントラストも調度良く
すごくいい仕上がりになったと思います。

引き続き造作のキッチンとコート掛けの製作です。
 
 

 
 
 
 


シナ×ナラ


 
造り付けの食器棚を製作中です。
シナの合板にナラの面材を貼って鉋で面(つら)まで削っていく作業。
こんな時に使う鉋は刃の両端が丸くなってないとダメ。
替刃式の鉋なんかを使うと一発でシナを削ってしまいます。

現場は再び京都の町家。
W1800×H1800×D530の食器棚が組み立ててしまうと搬入が出来ない、、。
今日仮組して、もう一度ばらして塗装して、パネルとして搬入します。

福井の現場なら入ったかも


カッター


工場の奥に長い間眠っていたカッター。
これはもったいないと、インターンに来ているT君に錆を落としてもらう。

ほとんど使っていなかったせいもあり切れあじは悪くない。
建具の溝を付いたりする時はとても役立ちます。

壁に飾るように収納しておくと
その機能美にウットリ。


京町家の改修で

荒谷省午建築研究所の設計で進められていた京町家の改修が先日竣工。
先週末に行われたオープンハウスも100人近くの方が訪れてくださり大盛況でした。

オープンハウス前にギリギリで撮影した写真でマエダ木工が製作した物の一部を紹介します。


今回の物件では家具だけではなく建具も製作しました。
このクローゼットの扉は和紙貼り。しかも福井の越前和紙です。
 


先程の色は薄花色でこちらは海老茶。今まであまり和紙というものに注目してきませんでしたが
今回の仕事でその優しい雰囲気がとても気に入りました。
 


今回の物件で製作上のメインとなったのがこちらのキッチン。
ワイドが4200mm。その端から端までウォールナットの板目が通すという仕事。
扉や引出しがあるのが分かるでしょうか??
カウンタートップにはまさかの黒皮鉄。


オープンハウスのお知らせ

この度、荒谷省午建築研究所 設計の京町家の改修工事が竣工し
クライアント様のご好意によりオープンハウスが行われる事となりましたので
ご案内させて頂きます。

マエダ木工は造作家具と建具工事を担当致しました。
会期中は現場に常駐しておりますので、皆様ぜひ会場へお越し下さい。

maedamokko(a)gmail.comにご連絡頂ければ詳しい場所をお伝え致します。

日時:2011年8月27日(土)13:00~18:00
   2011年8月28日(日)11:00~17:00

場所:京都市内


ライティングビューロー納品


ずいぶんとお待たせをしてしまったライティングビューローがついに完成しました。

数日前に納品に伺い、大変喜んで頂いてホッとしています。
納品の際に、追加注文まで頂きました!
 
 

テーブルトップとなる扉を倒すと、支えが自動で出てくる仕組みになっています。
  
  

アメリカンチェリーはやっぱり良いです。ライティングビューローのオーダーを頂いた際に
真っ先にアメリカンチェリーを使うイメージが頭に浮かんだのです。
 
 

あまり見えませんが(見えなくしているのですが)脚はこんなデザインになっています。


本体の側板と天板はアリ組で組んでいます。このバランスを決めるのに相当悩んだのです。


扉のつまみもアメリカンチェリーで作っています。

サイズ:幅750mm×奥行420mm×高さ1040mm
材料: アメリカンチェリー
仕上げ:オイルフィニッシュ
参考価格:お問い合わせ下さい


町家の改修×2


京都では建築家の方との町家の改修物件×2が進行中。
一件目はこちらのWebサイトの製作でもお世話になった究建築研究室の柳沢究さんと。
マエダ木工ではキッチンと収納を2カ所製作します。
取付け箇所の壁面が土壁というのは、初めての仕事になります。トップライトで照らされて
生き生きとした土壁はとてもキレイです。

もう一件は荒谷省午建築研究所の荒谷さんと。
こちらの物件ではキッチンや造作の収納棚に加え、建具も製作します(現在製作中)。
それから何点かの置き家具をオリジナルのデザインで製作する予定でとても楽しみです。

写真は構造用合板のジョイント部分。大工さんがもの凄く丁寧に仕事を進められています。
震災の影響で工事が遅れていたこの物件もお盆前には引き渡し予定。
間に合うのか!!!家具!


1/5の家具模型展in福井県立美術館


 
7月1日(金)〜7月3日(日)まで福井県立美術館おいて
福井県デザインコンクール作品展が開催されます。それに合わせて公募展とは別に福井で活躍するデザイナー
や作家を紹介するコーナーを設けるということでお誘いを受け、出品させて頂く事になりました。

今回は昨年の9月にドイツ、ライプツィヒで行った家具の模型展を再現しようと思っています。
依頼を受けて、慌てて模型を箱から出して、破損した部分を修正。
10点程の家具模型と手書きの図面を展示します。

みなさん是非足を運んでみて下さい!
 
 


オーダーメイドで祭壇を


ホームページをご覧頂いた方から、ちょっと珍しい注文を頂きました。
特注の祭壇です。

ご希望のサイズを伺っていたので、それに合わせてこちらでデザインしたのですが
なかなか悩みました。今まで考えた事の無い種類の家具でしたので・・・
いろいろと調べて、この形に落ち着きました。

材料はベイヒを使用。削ると独特の香りがして、木肌もキレイで気に入りました。
ところで建具材に使われるような針葉樹って結構なお値段がするのですね。
正直つい最近まで知りませんでした。木曽ヒノキの値段なんか聞いたら驚きます。

いつものようにこの様なCGと図面を作成し、ご確認頂いて製作しました。
塗装はワンダー水性1液型の白木色を使用しています。


新作!


先日行われた福井県創作家具建具展に出展した家具(まだ名称が決まらず・・・)です。
材料は福井県産の杉の間伐材を使用しています。

デザインは以前ドイツで1/5の模型展を行った際に考えていたモノです。ちなみに模型は
チェリー材を利用しています。今回製作してみて今度はホワイトアッシュで作っても面白いかな
と思っています。材料費が跳ね上がりますが….


材がクロスする箇所は面腰十字で組んでいます。
意匠的な配慮もありますが、何よりもこの方が強度が増します。


パーツを組み替える事でいろいろな使い方が出来ます。
斜めになった正方形の中にある棚板(水平部分)も取りずせます。

この展示会では審査も行われたのですが、残念ながら4位。
出展するからには1位を狙ってたのですが。上位の作品をみると技能コンクールのような
意味合いが強いようです。審査基準からすると健闘した方かも。
4位なのですが、今月の17日〜19日まで行われる高山市での全国大会に出展出来る事になりました。
審査する人が変われば違う結果が出るかもしれません。


できました。

明日の展示にむけた製作がなんとか終了。
今日は徹夜か?と思ってましたが、無事日付が変わる前に帰って来れました。

写真は今日の朝の状態。
そして今日はほぼ一日サンディング・・・。塗装は下地作りが大事です。
塗料は今回初めて、キャピタルペイントのワンダー水性1液型(白木色)を使用しました。
乾燥の早さにホント助けられました!

ちなみに製作したのはドイツで模型を作っていた「Honeycomb Schrank」と名付けた
蜂の巣のような形をした収納。

出展はマエダ木工名義ではなく「松浦建具製作所 製作 前田智之」となっているはずです。

土曜の午後は会場(アオッサ1F)に居るつもりをしています。

みなさん是非お越し下さい。


展示会にむけて


展示会にむけた家具の製作を進めています。

今回は加工の一部を建具屋さんにお願いしました。
0.01mmまでの精度が出せるというこの機械。世の中にはこんな機械があるんだって事を
知った上で木工をやって必要がある。
それにしても他の工場を見せて頂くというのは刺激的で楽しい。
 

加工後はこんな感じ。


切り欠きは結局手加工でやりました。


2つを合わせるとこんな感じです。

27日の午前中に搬入なので、あと2日。
塗装があるから明日にはほぼ完成させないと、間に合わないぞ!


ビューローの原寸図


ゴールデンウィーク明けからの仕事の予定が、震災の影響で来月に。
それじゃビューローの製作に取りかかろうと、木取りを始めたものの
どーも気になって、不安な部分が。

という事で、結局原寸を書きました。
写真にあるのが、扉をあけると自動で支えが出てくる仕組みの金物。
注文した金物やさんも初めて見たとのこと。

と、製作を始め、木取りが終わったところで一時中断。

来週末の展示の為の家具を作ります。


技術とデザインと


今月の27〜30日に第34回福井県創作家具建具展示会が開かれます。展示場所はAOSSAの1F。
以前から参加の要請を受けていて、快諾していたのですが、気がつけば今月末。というか来週末!

という事で、現在急ピッチで段取りをしています。
デザインは以前に模型を作っていたシェルフでいくとして問題はその納まり。

単純過ぎず、目立ち過ぎないように。強度も兼ね備えつつ合理的で美しく。デザインの中に技術を。
いろいろ試行錯誤を繰り返して、写真の「十字面腰合欠き接ぎ」でいく事にしました。

材料は出来るだけ県産材を使用してほしいという事で杉の間伐材を採用。

審査および表彰も行われるらしいので、出展するからには・・・
いい結果だったら報告します。

福井近郊にお住まいの方は今週末はフラットキッチン
来週末はAOSSAへどうぞ。


東日本大震災支援プロジェクト〜CRチャリティ・バザー

昨日はFUCA/福井クリエイターズ・アソシエーション主催のチャリティ・ミーティングに参加してきました。
福井のクリエイターがこだわりの一品を持ち寄ってバザーを開催し、その売り上げの全額を今回の震災で
被災された方への義援金にしようというこの企画。

詳細についてはこちら

僕も建築家の丸山さんからお誘いを受け、参加してきました。

バザーは今月の21日、22日 場所はフラットキッチンにて開催されます。

僕も今回の為に製作した作品を出品しています。

幅27cm×奥行き14cm×高さ15cm
樹種:ウォールナット 塗装:オイルフィニッシュ
価格 8000円

”ねじり”と呼ばれる組み手を用いて製作した花台です。
ウォールナットのクセのある部分をあえて使用し、個性的な木目を活かした、世界に一つだけの一点ものです!

他にもたくさん面白いものが出店されているので、お時間のある方は是非足を運んでみて下さい。


自宅の本棚


ゴールデンウィーク中に自宅の本棚を製作。福井に引っ越してきて以来段ボールに仕舞われていた本を
ようやく並べる事が出来ました。

作りとしてはごく単純で、全てビス止めで組み立てています。縦の仕切りがずれているのは
ビス止めをし易くするため。今回ラワンベニアのフラッシュで作りましたが、あとあと考えると
ランバー合板を使っても材料費は変わらなかったかな。
朝に本棚を作ろうと思いついて、ちょっとデザインし夕方には完成という早業。
事務所の本棚としてはローコストでおススメです。

サイズはW2400×D290×H1100で作っている時は余裕で全ての本が入ると思っていたのに
いざ仕舞い始めると、全然収まらない。当初は何カ所かはお気に入りの”木のおもちゃ”なんかを
飾って…なんて思っていたのに。家具、木工、インテリア関係の本だったらそこら辺の本屋さんより
そろってます。

いっぱいになった本棚をみて、「もう本買われへんな」と妻がグザリ・・・。
子供に本を触られないように、下を浮かしておいたのでけれど、そこに棚板を足そうかな。

片付けをして居るとどうしても、「そうそう、この本やっぱりいいな」などと見始めてしまい
とりとめの無い事になってしまうのですが、そのなかでもやっぱり廃刊になってしまった
インテリア専門誌の「室内」は秀逸だったと思います。現在も類似するような雑誌が無いだけに残念です。


デ・ホーへ・フェルウェ国立公園

2010年に訪れたオランダの国立公園。5500ヘクタールにも及ぶ敷地内には公園内とは思えないような光景が
広がっています。同敷地内には有名なクローラー・ミュラー美術館があり、ゴッホのコレクションが多数。
教科書に載っていた「ひまわり」も見る事が出来る。
 
敷地内には白い自転車がたくさん並んでいる場所が何カ所もあって、そこから自由に自転車を借りて
好きなところに向かって好きなところで自転車を返すというシステム。相当な距離を自転車に乗りましたが
まわれたのは7割程だったと思います。
お目当てだったリートフェルトの建築は改修中で見る事が出来ず。

アクセス方法はやや難。公園がある町にはインターネットで予約出来るようなホテルが無く
近くの都市にホテルを取り、そこから電車とバスと送迎バス(?)を乗り継いで。


材料選び


これから製作予定のライティングビューローに使う材料を買いに岸和田にある服部商店さんへ
電話で連絡をしておくと、お目当ての材料を前に出しておいてくれました。
 


今回使用するのはアメリカンチェリー。
一枚一枚チェックしながら良材を選んでいきます。結局ひとかたまり全部見てしまいました。
良材ばかり抜き取ってしまって申し訳ないです・・・。
例えば「上から3段分」という具合に無選別で買えば単価も少し安くなるという事なので
次回からはそういう買い方もありかな。

それでも、わざわざ脚を運んだ甲斐があって納得のいくイイ材料が買えました。
月曜には工房に届くはずなので、楽しみです。


ライティングビューローのCG


一ヶ月程前に問い合わせを頂いて、これから製作予定のライティングビューロー。
恥ずかしながら、このような家具をビューローと言う事は知りませんでした。
しかも、ビューローはドイツ語。ちなみにスペルはBüroでüの発音は「ウ」の口の形で「イ」と発音するらしいが
僕にはなかなか無理でした。事務所という意味です。

で、今回のCGは最終決定したもの。一度別のプランで提案をさせて頂き
詳しく要望を伺ってこのデザインにまとまりました。

このビューローのデザイン。なかなか大変です。
まず第一に、天板となる扉を前に倒すと、支えとなる腕が自動で前に出てくる仕組みを採用するため
金物の納まり部分が若干複雑になっています。まぁこれは考えれば分かる事なんですが・・・

一番頭を悩ませたのが、単純に機能だけを満たしてデザインすると、どうしても野暮ったくなってしまう事。
これは言葉では表現しづらいのですが、もうちょっと細くしたい!低くしたい!と思ってもワークデスクとしての
機能を保つ為にはこれ以上無理!という戦い。
いろんなプランを検討した結果やっとこのバランスを見つけ出しました。

ところで、マエダ木工では打ち合わせの際、このようなCGを使って提案させて頂きます。
オーダー家具というのは出来上がるまで形が見えないという不安があるかもしれませんが
このようなCGを見て頂ければ大体のイメージはつかんで頂けると思います。
もちろん、図面も描きますし、下の写真のような材料サンプルもお見せします。
 

お客様も出来上がりが楽しみだ、と仰っていて、僕も製作するのが楽しみなのですが
GW明けはちょっと別件の仕事が入ってまして・・・。
完成はもう少し先になりそうです。


朱色の拭き漆


先日問い合わせを受けた朱色の拭き漆。研究もかねて早速サンプルを製作しました。
折角サンプルが出来たので問い合わせをして下さったプリヤデザイン一級建築士事務所へとお持ちしました。
 
実際に設置される場所や、脚の形状等を打ち合わせ。

ついでと言っちゃなんですが、突き板のサンプルもお渡しして
現在検討中の新築物件での樹種選びの資料として頂く。

うまく話が進めば良いのですが・・・期待しています!

プリヤデザインの小林さんも僕がお伺いした様子をこちらのブログに書いて下さってます。


鈴木彫刻所の鈴木さんが…


 
今日、鈴木彫刻所の鈴木美央さんがうちの工房にお越し下さいました。

鈴木さんには国産の木材(ケヤキやヒノキ、ホウなど)を使って作ったアクセサリーや器等を見せて頂き
僕はドイツで作った作品などをお見せしました。
また、国産ではない木材に興味あるという事でしたので、ウォールナットやチェリーなどの材料も見て頂きました。
 
曲線を排したものと、曲線だけの物。
同じ木材を使っていてもその表情は全く異なります。
その2つが上手く交われば何かとても面白い事が出来そうな気がします。
今後なんらかの形でコラボさせて頂ければ、と思っています。
 
そして
ちょうど、捨てるにはもったいない、というような端材を残してあったので
お持ち帰り頂きました。こちらとしても、どんどん貯まっていくので助かります。
すてきな作品になって帰ってき来てくれる??(笑)事を楽しみにしています。
 


町家の改修工事/突き板サンプル


京都で進行中の町家の改修工事。
キッチン部分で使用する突き板の樹種を決定するため、数種類の塗装サンプルを現場に持参しました。
 
今回用意したのは
アメリカンチェリー、ウォールナット、ブビンガ、チーク、桜、ナラ、ケヤキの7種類。
木目のつながりを意識して使用するためサンプルはすべて板目。

設計の方に全体のバランスを考慮した上で樹種を決定頂きました。
何が選ばれたかはまた完成時のお楽しみにという事で。
 
当初予定していた樹種とはかなり違ったイメージのモノが選ばれたので
サンプルをたくさん提示出来てよかったと思うと同時に、全体の中でどういう存在感になるのか
完成が楽しみです。


安次富 隆さん、再び


1月に続き再びマエダ木工の工房にプロダクトデザイナーの安次富 隆さんにお越し頂きました。
今回は近日公開を予定していたホームページ(このサイト)を中心にご覧頂いて
アドバイスを頂きました。
 
この日の為に自宅のMacを工房に設置したのですが、まずこのスタイルがカッコイイ!と
気にってもらいました。
自分で言うのも何ですがセンスがイイと大変褒めて頂きました。
「ミラノサローネに出展したらどうか」なんて本気でアドバイスを頂いて・・・
がんばっていきます!

ところで
去年訪れたミラノサローネでは衝撃的と言っていいほどの感動を受けました。
デザインてのはまだまだある!デザインてこんなに楽しんだ!と思ったのです。
もう一度行きたいです。ミラノ


後半には現在デザインを検討している、ワークデスク(ライティングビューロー)のCGを
見て頂いたり、安次富さんが描いたCGも見せて頂きました。

一線で活躍されている方に認めてもらえるのは何よりも今後の自信につながります。
製作欲がドンドン湧いてきました。いくつかあるアイデアをはやく製作に移せるようにしたいです。

今回の様子は安次富さんのHPでも紹介されています。
 


漆を学ぶ

先日、テーブルの製作について問い合わせがあったのですが
その仕上げの1つとして「拭き漆」というものが含まれていました。

これまで漆に関してはカジッタ事がある位で、本格的には
取り組んでいなかったので、この機会に一度基礎から学ぼうと
昨日、塗り師の方や漆販売店の方にお会いして来ました。

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京都で町家の改修工事

京都で始まる町家の改修工事。
マエダ木工では造作家具や置き家具、建具工事を担当。

前回打ち合わせをした際の、解体前の様子とは打って変わって
すっきりとスケルトン状態。
表面だけキレイに見せていた以前のリフォーム工事の
実態も明らかになったようだ。

工期は割とつまっているのだが、どこの現場でも同じように
構造用合板が無いらしい。
木工所レベルでも2.5mm、4mmのラワンベニアは入手困難となっています。

当たり前に手に入っていた物が、手に入らなくなるという現実。
本当に必要な物は??、これまでが作りすぎていたのでは??
そんなことを考える機会になればいいと思います。


テレビボード完成


3月の上旬から製作をしていたTVボードがようやく完成し、写真取りをすませ
先日愛知県まで納品してきました。
依頼をしてくれたのは学生時代の友人。
要望を聞いてこちらでデザインし、何度も修正を加えてこの形に落ち着きました。
要望の内容や、そのやり取りの様子もまた後日ブログで紹介します。

全体的にはウォールナットの板目の突き板を使い、格子戸部分には無垢材を
用いています。塗装は前回のブログで書いた仕様で。


脚部の金物はこのTVボードの為に製作したオリジナルのものです。


格子戸は前開き式。その他は全て引き出しになっています。


このTVボードはAV機器を設置した際の配線が全て隠せるように
デザインされています。

天板部分に設けた配線用の開口を隠すフタもウォールナットを
使って製作しています。

現在同時に納品する予定だったローテーブルを製作中です。


過去の日記
ランダムイメージ